今回は映画の中で流れている音楽で私が好きなものをご紹介します。
●夢中人/フェイ・オンー「恋する惑星」(1994)
映画の主題歌でもあるこの曲。「夢中人」とは「夢の中の人」という意味。
雑踏な都会・香港を舞台に繰り広げられるすれ違いだらけの恋の物語にぴったりな一曲です。
劇中でも少し流れますが、ラストのクレジットでこの曲が流れると「ああなんか恋したいな」なんて気持ちになったり。透き通る彼女の歌声がなんとも軽やかで心踊る素敵な曲なので、朝からワクワクしたい日なんかにはピッタリな曲かもしれません。
●Le Temps de l’Amour/フランソワーズ・アルディー「ムーンライズキングダム」(2012)
題名の訳は「恋の季節」。劇中では主人公の男の子とヒロインが駆け落ちをして、辿り着いた湖畔でダンスをする時に流れる。12歳の二人が初めてのキスをするのもこのシーン。子供から青年に、大人の階段を登ってる途中の二人にぴったりのちょっと大人でムーディな一曲です。彼氏彼女とほろ酔いで、色気のある雰囲気を作り出したい時なんかに聞くと効果絶大かもしれないです。
●Little person/Deanna Storey ー「脳内ニューヨーク」(2008)
作曲は「エターナルサンシャイン」の劇中歌も手がけているジョン・ブライオン。映画では主人公が成功を収め、新たな一大プロジェクトも進行していく中で徐々に本人は孤独へと向かっていく。この曲は、そんなどんどんまわりの人と距離ができていき、最後には途方もなく孤独に陥る主人公になぞらえた一曲なのです。静かなピアノの音と優しく囁くような歌声が現代社会で疲れた私たちの孤独な心も温かく包み込んでくれます。映画ともマッチするその歌詞にも注目です。
●La niña de fuego/マノロ・カラコル ー「マジカルガール」(2014)
スペインの映画ならではのフラメンコ調の曲です。その昔、フラメンコの発祥でもある放浪の民のジプシーたちがその煮えたぎる愛や憎悪までも歌と踊りにしたというが、まさにそんな思いが伝わってくるような曲調になっています。曲名の訳は「炎の少女」、歌詞からもその熱い思いが伝わってきます。映画の中では、作品のミステリー性をさらに高めてくれるような役割を果たしています。登場人物たちがそれぞれに抱く愛と罪の思いを強調し、不可思議な雰囲気を醸し出す不思議な曲であり、スペインの闘牛なんかも思い起こさせるような曲にもなっています。闘志を出したい時に聞くといいかもしれません。
いかがでしょう、どれも映画にピッタリ合った曲ばかりなので音楽に興味が惹かれたら、ぜひ映画作品の方もご覧になるといいでしょう。より曲の世界観にどっぷり浸かれること間違いないです。