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全く新しい「キングコング」の描き方 『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)レビュー

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概要

「キングコング」といえば、日本でも有名なキャラクターですよね。そのキャラクターをまったく新しい切り口から描いたのが、2017年公開の『キングコング:髑髏島の巨神』です。

物語の舞台設定も映画のテイストも、これまでのキングコング映画とは大きく異なるこの作品。とある他の怪獣映画とつながりを見せる伏線も散りばめられていて、話題になりました。

名キャラクターが現代的なアクション映画の中でどのように生まれ変わったのか。この作品の魅力を紹介していきます。

あらすじ

1970年代。ベトナム戦争が集結した直後のアメリカで、未知の地域や生物を調査する国家機関モナークが奇妙な島の衛星画像を発見する。

「髑髏島」と呼ばれるその島はランダ(ジョン・グッドマン)率いるモナークの調査が入ることが決定し、調査には護衛としてバッカード大佐(サミュエル・L・ジャクソン)率いるアメリカ軍も同行することに。さらに、アドバイザーとして元イギリス軍特殊部隊のコンラッド(トム・ヒドルストン)も参加する。

ヘリで島にたどり着き、サイズミック爆弾の投下で地形調査を始めるコンラッドたち。ところがそんな彼らに、体長数十mはある巨大なゴリラ、コングが突如襲いかかるのだった。

ヘリはコングによって全機撃墜され、コンラッドたち調査隊の生存者たちは島の方々に散り散りになってしまう。他の生存者と合流しながら帰還の迎えがくる海岸を目指すコンラッドたちだったが、髑髏島にはコングだけでなく、異様な進化を遂げたおそろしい巨大生物たちがいた。

コンラッドたちは巨大生物の襲撃で一人また一人と命を落としながら、生き残るために奮闘していく。やがて、島に隠された大きな秘密が明らかになっていき…

見どころ

映画「キングコング」といえば、映画の撮影のために未知の島を訪れた人々が巨大なゴリラと遭遇する…というパニックアドベンチャー作品でした。ところがこの『〜髑髏島の巨神』では、これまでと違うシチュエーションで人類がキングコングと遭遇します。

本作でコングと出会うのは、調査のために髑髏島を訪れた国家機関モナークと、その護衛の米軍部隊です。軍用ヘリで大規模な編隊を組んで島に到着する様は、まるで戦争映画のような雰囲気を漂わせています。

時代設定がベトナム戦争の終結直後で、物語の舞台が未知の島のジャングル、ということもあって、戦争映画の名作『地獄の黙示録』を意識していると思わせるシーンがたくさん描かれるのもポイントです。

コング以外にも、巨大なスイギュウのような生き物や巨大ナナフシのような生き物が登場して、そんなキャラクターたちはどこか神秘的でアニメチックな雰囲気があります。それもそのはず、メガホンをとったジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督は、本作で登場するキャラクターたちは、宮崎駿作品など日本のサブカルチャーから大きな影響を受けていると公言しています。

物語終盤にはこの映画がハリウッド版「GODZILLAゴジラ」とストーリーが繋がっていることが明らかになり、さらなる世界観の広がりを予感させます。

戦争映画や怪獣映画のテイストに日本のアニメなどの要素も加わった『キングコング:髑髏島の巨神』は、キングコング映画としては異色ながら、見ごたえのあるエンターテインメント大作です。


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