「神様なんかくそくらえ」という映画をみてこんなに報われない愛もあるんだと思いました。
まずはそんな映画ついて今回はご紹介したいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=a433M7LAB-s&t=11s
ストーリーの舞台は、アメリカ・ニューヨーク。ホームレスの少女ハーリーの路上での生活とそこでの人間関係やロクでもない男イリヤとの関係についてのお話を淡々とドキュメンタリーチックに、しかし時に感情を織り交ぜて描いた作品である。またこのお話は、主演を務めたアリエル・ホームズの実話を元にしたお話でもある。この映画プロジェクト自体も本当にホームレスだった彼女をある日偶然監督を務めたジョシュア・サフディとベニー・サフィディが見かけ声をかけたところからスタートしています。また第27回東京国際映画祭では、東京グランプリに輝き、また最優秀監督賞も受賞しています。
この映画がサフィディ兄弟の初監督デビュー作ですが、独特なカメラワークとサウンドがうまい具合に、ドキュメンタリーチックに描かれたホームレスたちの日常にのせて、登場人物たちの感情や気持ちを表現しています。話が錯誤しそうなほど、ざっくりと進むストーリー展開はまるで麻薬漬けの日々で明日どう生きるかもわからない若者目線の荒廃した日常を表現しているようにも見えます。映画自体はR-15なので、ちょっと過激なシーンもいくつかあります。イリヤに「死んでくれ」と言われて、ハーリーがカミソリで手首を切るシーンなど血が出てくる痛いシーンが多々あります。また麻薬や盗み、物乞いにあふれた荒んだ日々が淡々と描かれており、登場人物たちのギリギリの精神状態がなんともいたたまれないです。そして見所はやはり主人公ハーリーのとイリヤの関係がなんとも言えないくらいに痛く切ないところです。イリヤに対してハーリーはすごい執着心にも似た恋愛感情をずっと抱いています。イリヤという人物は実際に実在していたそうで、今はもう亡くなってしまったそうですが、16歳の頃からアリエル・ホームズの恋人だったそうです。劇中では、イリヤにゴミのように扱われてもなお彼が一番好きだと語るハーリーに共感しきれないのが正直な感想ですが、アリエル・ホームズはあるインタビューで実在したイリヤをどれほど愛していたかにを語っており、映画を見たとにそれを読みましたが、彼女のすごく悲しいくらいに純粋な愛を感じました。
こんなに荒んだ生活も手に負えないほど荒々しい彼氏も羨ましくないですが、人生で1人でもこんなに無条件で愛せる人がいることはとても羨ましいと思ってしまいます。アメリカの若者ホームレスを通した新しい青春映画です。また、まだまだ駆け出しの監督と女優がタッグした映画ですが、見ごたえはあります。今後の彼らの活躍にも注目していきたいと思います。