映画「箱入り息子の恋」(2013)の感想とカルチャーショック

©️2013「箱入り息子の恋」製作委員会

あらすじ

35歳にして独身、友人もろくにいない天雫健太郎(星野源)は市役所に勤務する真面目な男性。生真面目で内気な性格なため、これまで人と関わることを避けてきた彼を心配した両親は、ある時親同士が子どもに代わってお見合い相手を探す「代理見合い」に参加する。そこで知り合ったとある両親がのちに健太郎と恋に落ちることになる今井奈穂子(夏帆)の両親だった。初めは奈穂子の父親の健太郎に対する侮蔑的な態度が災いして、縁談どころか会話もろくにできない険悪な雰囲気が漂っていたが、次第に健太郎と奈穂子は惹かれあっていく。目の見えない奈穂子との交際は、健太郎にとって非常に困難なものであったがそれでも彼が奈穂子のことを想う気持ちは最後まで一貫して変わらない。物語は結局二人がどうなったのか、というような具体的なエンドは見られず、観客にその後のことを想像させる形となっている。

キャスト

・星野源

・夏帆

映画の感想とカルチャーショック

「箱入り息子の恋」がロシア語の字幕付きで上映されると聞き、ロシア人の友人たちと鑑賞しましたが、観終わった後に彼らが最初に述べた感想は「ラブストーリーじゃなくてコメディ」でした。設定としては障がいを持った彼女と、「欠点だらけ」と自ら自覚している主人公が一生懸命お互いに愛を伝えあっていくというもの。これ絶対最後には泣くやつだな、と私は思っていましたが、ロシア人たちは映画の開始5分で大爆笑。尺にして30分くらいはトータルで笑っていたんじゃないかと思います。例えば、両親が真剣に息子の将来を案じているシーンを目にして涙を浮かべてゲラゲラ笑い転げていました。なんてこった、この映画大丈夫かと真剣に思いました。また一番のミソ(?)となる健太郎が全裸で奈穂子の両親の前に姿をあらわした時の劇場の様子と言ったら…。周りは手を叩いて大爆笑の嵐。正直そこまでですでに周りにつられてずいぶん笑いつかれていた私は、もはやそんな気力もなかったものの、一方で冷静にこの映画の方向性が分からなくなっていたのも事実でした。基本的に映画に3点以下の点数をつけることはない私ですが、何というか正直これはよくわからない映画だった、という意味で半分ちょっとの評価です。設定やキャスト、映画の90%くらいまでの運びはすごく「この映画どうなるんだろう、最後は泣くんだろうな、覚悟しないと…」と思っていたのでちょっともやっとする脚本だったのには残念でした。たまに笑いが見られるのはキャストに共感しやすくなる分非常にいいと思うのですが、何だかやっつけなエンドというか、どっちかっていうと「星野源本来のキャラクター」をアピールするための映画だったかのように思われました。そう思うまでは本当にいいキャラクターを演じていたと思うんですけどね…。

今回は少し辛口のコメントになってしまいましたが、映画自体が決して面白くないわけではありません。ただ「ラブストーリー」と思って観に行くとがっかりしちゃいますので、これから見る予定のある方は「コメディ」と思って観た方が良いかもしれません(笑)

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山本昴

やまもとです。大学生です。基本プラス志向なので悪いことは言いません。 自分を表す一言は「経験のコレクター」です。

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