森下典子の同題小説を『セトウツミ』『まほろ駅前』シリーズの大森立嗣監督が映画化。
茶道を軸に一人の女性・典子が大人になっていく日々を描く物語で、森下の自伝的物語で物語を二十四節気で物語が区切られていく形式が取られ、日本の四季を感じることができる構成となっています。
黒木華、多部未華子に先日惜しくも亡くなった樹木希林を加えた三人を中心に鶴見慎吾や鶴田真由、乃木坂46の山下美月などが彩りを添えています。
ストーリー
20歳の女子大生の典子と従姉妹の美智子は一生をかけて身につける何かを求めて茶道教室に通い始めます。
通う先は典子の母がただものではないと見込んだという理由だけで大きなお屋敷に一人で暮らしている初老の女性、武田先生の教室。
そのお茶室には『日日是好日』と書かれた大きな掛け軸がありました。二人は意味はもちろん読み方にも悩む始末です。
細かい茶道の作法を教えていく武田先生。それに対して一つ一つに意味や理由を問いかける典子と美智子に、武田先生はまずは、そういう風に決まっていることだから、とりあえずまず身につけていくようにと諭します。
“お茶はまず形から、そこでできた入れ物に心を後から入れるもの”だと言われた二人は稽古に通う日々を続けます。
日本の古典文化の映画あれこれ
史上初のお茶の映画と評させる本作『日日是好日』。
どうもとっつきにくい茶道=お茶という日本の文化を決して敷居を挙げることなく映画の中に織り込んでいます。
茶道といえば千利休ですが、千利休の映画は結構あって、市川海老蔵の『利休にたずねよ』、
三國連太郎の『利休』、奥田英二『千利休 本覺坊遺文』などがあります。
野村萬斎主演の花道の映画『花戦さ』にも佐藤浩市が演じる利休が登場します。
百人一首を題材にした『ちはやふる』、なぎなたを題材にした『あさひなぐ』などなど、日本の古典文化を映画の題材になることがありますので、探してみてください。
新しい発見につながるかもしれませんよ。