「百日紅 ~Miss HOKUSAI~」(2015)レビュー

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評価[45]【山本昴】

百日紅

©︎2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会

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◆作品紹介

「百日紅~Miss HOKUSAI~」は2015年に公開されたアニメーション映画。主人公のお栄(おえい)の声は杏が務めている。2016年にはアメリカ全土でも公開された。監督は「クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」や「クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」、「河童のクゥと夏休み」でおなじみの原恵一。原作は杉浦日向子の「百日紅」。

◆あらすじ

江戸時代を代表する人気絵師の葛飾北斎だが、この作品の中では主にその娘、お栄が中心となって物語が展開される。「親父と娘。筆二本、箸四本あればどう転んでも食っていける」と強気な態度で豪語する彼女は、その言葉通り春画から大作まで父親に代筆を任されるほどの腕前を持つ。しかし時にはその真に迫る作品がもとで騒動を起こすことも。また、映画の中では彼女の実の妹や母親との交流、彼女が恋慕する絵師の岩窪初五郎(いわくぼはつごろう)との微妙な距離感、越えられない壁を築き続ける父親への憧れやそれに対して自らの身を投じてでも努力しようとする姿が描かれ、努力する偉大な絵師の様子からいじらしい年頃の女性らしい一面までを幅広く映し出している。
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◆キャスト(声優)

お栄-杏

葛飾北斎-松重豊

池田善次郎-濱田岳

歌川国直‐高良健吾

お猶(おなお)‐清水詩音

岩窪初五郎‐筒井道隆

◆見どころ

この映画の見どころは二つあります。

一つ目は、この時代の典型的な女性の姿とは似ても似つかない、お栄の男前さ。恐らく江戸時代の女性、と言われば、特に何かしらの脚光を浴びられたわけでもないでしょうし、お栄自身、「自分はどんな絵だって描ける」と強く自信を持っていますが、それは葛飾北斎という天才的な父親を持ってしまったがゆえに越えられない壁を身近に感じ、彼に対し劣等感を感じつつも負けたくない、「女の自分にだってどんな絵でも描ける」という気持ちを持っていることの裏返しではないでしょうか。

一方で日本人だからこそ感じられる微妙な心情描写とか、いじらしい一面とかがちらほら見られるところもグッときました。例えば、歌舞伎の舞台を見に行こうとするシーン。お栄がひそかに恋心を寄せる初五郎も観劇予定だと聞き、初めはためらうも何とか意を決して身支度を整え、会場へと向かう場面があります。そこで偶然にも初五郎がとある女性と楽しそうな雰囲気で会話するシーンを目撃してしまい、結局彼女は舞台を観ることなく、その場を後にします。わずか数分の(ひょっとしたら数秒の)シーンではありますが、日本人だったら彼女が明らかにやりきれなさと少しの嫉妬を感じてしまい、その場を後にしたと読み取れますが、多くの外国人であればそれは理解できないでしょう。「わざわざ行ったのに、なぜ劇場に入らなかったの?」そう疑問視して、だから日本人の心情はあいまいで分かりにくいのだと評価することと思います。また、ここ最近の日本の映画市場に流通する映画を見ればどうしても派手なアクションものや、恋愛であれば直接的に自分の思いを伝えられるものの方が人気が出がちなような気がします。せっかく日本人に生まれ、こうした微妙な心情の変化を感じ取れる環境に身を置いているのだから、こういうふわっとした映画ももっと高く評価されるべきではないのかなと思ったので、この評価です。

◆最後に

いかがでしたか?見たことのある方ならば、何だか要領を得ない映画だなあと思った方も多いかもしれません。ですが主人公の心情の機微に着目してみれば、また少し違って見えるようになると思いますよ!以上、「百日紅」の映画レビューでした!
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山本昴

やまもとです。大学生です。基本プラス志向なので悪いことは言いません。 自分を表す一言は「経験のコレクター」です。

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