◆作品概要
1991年にディズニーによって制作された、長編アニメ作品の「美女と野獣」。本作はそのアニメーション映画のリメイク版として実写化された作品である。「美女と野獣」という話自体がフランスの民話であるため、映画の中にも当時のフランスの様子を感じさせるシーンが挿入されている。またディズニーアニメの実写化作品としては初めて、ディズニー自らが制作・配給を担ったことでも話題になった。
◆みどころ
長い間、多くの人に親しまれてきたディズニー作品ですが、この作品は他と比べてもその美しさの表現の仕方にかなり一線を画しているように見えました。衣装・舞台セットといった視覚的な美しさを始め、ミュージカル調にストーリーが紡がれることで聴覚的にも美しさを感じられます。更に当時の多くのフランス人が重きを置いたであろう、「人と人とのつながり(絆)」というテーマについても映画の中で一貫して語られており、人によってはそこに美しさを見いだした方もいらっしゃるかもしれません。以下ではその絆について詳しく見ていきます。
○恋愛としての「愛」
最も分かりやすいものであれば、クライマックスの主人公ベルと、野獣が結ばれるシーンでしょうか。真実の愛というものを実感し、分かち合う場面が非常に美しく、観客側の感覚に訴えかけるものがあります。「あんな恋愛がしてみたい」と憧れを持った女子も少なくないのではないでしょうか?
ちなみに、このシーンの引き立て役になるのが、冒頭の乱暴だけどみんなの人気者である、ガストンの主人公ベルへの求婚のシーンだと思います。「この俺が結婚してやるよ」と言わんばかりの俺様な態度をとるガストンにベルが何も関心を示さないことから、「愛とは一人ではぐくめないものである」ということがよく象徴されているのではないでしょうか。一番初めにこの前提があるからこそ、一番盛り上がるシーンで観客側の心をガっとつかむような仕組みになっているんですね(笑)
○子が親を、親が子を想う親子「愛」
また別のシーンでは、親子間でお互いを大切に思いあう場面もありました。必死になって自分の父親や子どものために体を張る様子が、親子愛の美しさを感じさせられること間違いなしです。日本で生まれ育った人ならば、子はまだしも、親に対して愛情を抱くというのにあまりピンとこないかもしれませんが、映画の中ではそれが非常に美しく描かれており、親が子を、また子が親を自然と大切に思う気持ちが強く表れていたと思います。
○友との間に築かれる「友情」
こちらは愛とは少し離れてしまいますが、人と人とを結びつける感情の一つとして「友情」という感情もあるでしょう。もちろん本作の中でもそれは描かれています。悪く言えば腰巾着、よく言えば友達思いのル・フウがガストンの非を隠し続けるシーンです。観客側からすれば「そんなの、本当の友情じゃない!」という感情を抱いてしまうかもしれませんが、ル・フウ自身どこかガストンを見捨てられないところがあったんでしょうね。いくら人気者だからって悪いことをするような奴といつまでも行動を共にし続けることは情なしではできないのではないでしょうか(笑)
◆おわりに
いかがでしたか?
美女と野獣の中で展開される人と人とのつながりの大切さを始め、様々なシーンでの美しさの見出し方を(主観ではありますが)伝授できたかと思います
まだ映画を観ていない方には是非この美しさを実感してほしいと思います!
もちろんすでに見たことがある人も、もう一度見てもらえればその美しさを再び、あるいはより強く実感できること間違いなしですよ!