あらすじ
物語が目指したのは当時の社会情勢を映した女性の進出と、フランスらしい女性主人公の自己実現と愛の両立。現代版マイ・フェア・レディと称されることもあるが、女性自身の確固たる意志が強く描かれているところを見て少し違う印象を受けたのが第一印象だった。
映画の舞台は1958~59年のフランス。田舎で父が経営する雑貨店で働くローズは、父親から地元の縁談の話を持ち掛けられていた。そんな田舎から逃れようと、ある時ルイが経営する秘書の面接試験を受けることにする。かねてより得意としていたタイピングの早打ちの様子を見せつけ、見事採用が決まるも、タイピング以外の能力のないローズに、ルイは仕事の継続を望むならタイピングの早打ち大会に出場することを命じた。結局わずか2文字の差でローズは敗退してしまうものの、二人は世界大会への進出・勝利を目指して次の準備へと入る。
物語の骨子とも言えるシーンはまさにここから始まる。タイピングの練習をする中で垣間見えるルイの本当の姿や、子どもっぽさから徐々に脱却していく女性へと成長していくローズの姿には最後まで目が離せない。
キャスト
ルイ=エシャール…ロマン=デュリス
ロ-ズ=パンフィル…デボラ=フランソワ
マリー=テイラー…ベレニス=ベジョ
ボブ=テイラー…ショーン=ベンソン
私がおススメしたい理由
「フランス映画」と聞くと、これまでどうしてもすぐにベタ甘なイメージを想像してしまい、何となく苦手かも、と勝手なレッテルを貼っていた私にとってはかなり大ダメージを受けた作品でした(笑)
まず、とにかく世界観がかわいい。使われている衣装や小道具の一つ一つにすごく趣向が凝らされていてレトロ好きな女子なら間違いなくどっぷり浸かれます(笑)
ストーリー自体は少女漫画っぽい一面がある中で「タイピング」の練習に励む様子は完全にスポ根のそれでした。
正直タイピングになぜここまでのめりこめるのか自分でもわかりませんでしたが、最後まで純粋に主人公の努力を応援したくなりました。
また飽きさせない物語の構成にも非常に好感が持てました。優勝目指して努力する一面、少女漫画的な要素もある本作ですが、なおかつ主人公自身が少女から女性へと進化していく過程がはっきりと描かれており、もともとかわいらしかった世界観が最終的には大人の女性を形容する「美しい」に変わるのが非常によくわかります。
ところで、この点では日本の少女漫画とはかなり大きな違いがあると思います。というのも、日本の少女漫画の場合は好意を寄せる相手ができた場合、相手に何らかの形でひっぱりあげられるようにして、これまではそんなにスポットの当たっていなかった主人公がもともと持つ「良さ」が生きてくる、言うなれば最初から勝つのがわかっている試合が行われているように私には見えるのですが、今作で見られたのは自分の知らなかったことを自身が認識することで、新たに足りない部分を補完しようとする姿勢です。新しい何らかの要素を足すことでその女性は全く新しい人間に生まれ変わると言っても過言ではないですし、根本的に日本の少女漫画とは違うのではないかと思いました。もちろんだからって日本がダメだ、フランスは素晴らしいと言いたいわけではありません!どちらにもそれぞれの良さはありますし、「こういう女性の描き方もあるのだなぁ」とちょっと意外だったので備忘録程度のものです(笑)
だって、日本でやったら「キャラ崩壊するのでは?」と後ろ指さされるかねませんものね(苦笑)
実際は人間だからそういう面も見せてもいいとは思うのですが、世知辛い世の中です(笑)
まとめ
いかがでしたか?
今回は映画「タイピスト!」について簡単にお話しさせていただきました。可愛すぎる世界観と女子ならきっと誰もが共感してしまうようなキュンキュンするシーンの多さに最後まで目が離せませんよ!是非ご鑑賞くださいね!